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麻酔が怖くて歯の治療を迷っている方へ|犬の歯周病・歯肉炎に“新しい選択肢”
広尾・恵比寿・西麻布・南麻布を中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」です。
愛犬の口臭が気になっていても「年齢のせいかな」「まだごはんは食べられているし…」と様子を見てしまうことはありませんか。
一方で、いざ歯科治療を考えると、「麻酔が心配」「シニアだから負担が大きそう」と不安が先に立ってしまう飼い主様も多いのではないでしょうか。
犬の歯周病は、決して珍しい病気ではありません。3歳以上の犬の約8割が歯周病を患っているともいわれています。
進行した歯周病では、全身麻酔下での処置が必要になることがあります。しかし、すべての犬がすぐに麻酔をかけた歯科処置を受けなければならないわけではありません。
お口の状態によっては、麻酔を前提としない口腔ケアで、歯ぐきの炎症や口臭をケアできる可能性があります。
今回は、犬の歯周病のリスクと、当院が導入したプラズマ口腔ケアについて、飼い主様にもわかりやすくご紹介します。
■目次
1.犬の口臭や歯ぐきの赤みは危険信号!
2.【当院の新しい取り組み】麻酔をかけずに進める、プラズマ口腔ケア
3.広尾テラス動物病院での歯科受診ステップ
4.まとめ
5.ご注意(免責事項)
犬の口臭や歯ぐきの赤みは危険信号!
人間の場合、歯垢が歯石に変わるまで約25日かかりますが、犬はわずか「約3〜5日」という驚くべきスピードで歯石に変わります。
うっかりケアを怠るとあっという間に細菌が繁殖し、歯ぐきが赤く腫れる「歯肉炎」を引き起こし、やがて「歯周病」へと進行してしまうのです。
さらに恐ろしいことに、お口の中の細菌や炎症物質は血管を通じて全身へと巡っていきます。これが、愛犬の健康寿命を縮めてしまう重大な病気の引き金になることがあるのです。
〈歯周病菌が引き起こす、全身の主な病気リスク〉
・心臓(心内膜炎など):心臓の弁に細菌が付着し、心臓の働きを低下させる恐れがあります。
・腎臓:血液をろ過する腎臓に負担がかかり、機能低下の引き金になります。
・肝臓:体の解毒を担う肝臓に細菌が届き、肝機能低下を招くケースがあります。
【当院の新しい取り組み】麻酔をかけずに進める、プラズマ口腔ケア
歯石除去には「全身麻酔」が欠かせませんが「シニア期だから怖い」「持病があるから麻酔をかけるのが心配」と、病院へ行くのを諦めてしまう飼い主様は少なくありません。
そこで当院では、麻酔への不安を抱える飼い主様のために、先進的な低温プラズマ技術を応用した「プラズマ治療器」を導入しています。
この治療器は、2021年に農林水産省より「犬の歯肉炎症の軽減、口臭の低減」を目的とした動物用治療器として承認を取得している医療機器です。さらに、2024年からは大手ペット保険(アニコム社)の保険適応対象にも指定されるなど、獣医療の現場でその活用が広がっています。
〈低温プラズマ口腔ケアの仕組み〉
そもそも「プラズマ」とは、気体に高いエネルギーが加わった、いわば“エネルギーの高い気体”のことで、自然界では雷やオーロラなどにも見られる状態です。
この治療器は、医療用窒素ガスに電圧をかけることで、犬の体に優しい「低温プラズマ(活性種)」を発生させます。これを歯ぐきに吹き付けることで、生体内の防御システムに働きかけ、歯ぐきの赤みや腫れ(歯肉炎)の軽減を促し、気になる口臭の低減を目指します。
〈この新しいケア方法が選ばれる理由とメリット〉
・痛みがほとんどない
処置中の痛みや不快感がほぼないため、全身麻酔や鎮静をかけずに、リラックスした状態のまま処置が可能です。
・施術時間が短い
お口の状態にもよりますが、1か所あたり約15秒、お口全体でも約2〜5分と非常に短い時間で完了します。愛犬に過度な拘束感やストレスを与えません。
※あらかじめ知っておいていただきたいこと
このプラズマ治療器は、すでに付着した歯垢や歯石そのものを削り落とす機械ではありません。そのため、自宅での歯磨きとの併用が必要です。また、歯周病が重度に進行している場合は、これまで通り麻酔下での抜歯やスケーリングが必要になるケースもあります。
広尾テラス動物病院での歯科受診ステップ
当院では、愛犬の安心・安全を最優先に考え、無理のない3ステップでお口の健康を管理します。
① 丁寧なカウンセリングとお口のチェック
いきなり器具をお口に入れることはしません。
まずは、診察台の上で落ち着いていられるか、お口の周りを触らせてくれるかなど、その子の性格や反応を確認します。
そのうえで、歯ぐきの赤み、歯石の付き方、歯のぐらつき、痛みの有無などを総合的に確認し、プラズマ口腔ケアが適しているかを判断します。
② その子のペースに合わせて処置を進めます
プラズマ照射の際は、犬が好むフレーバー付きのデンタルジェルなどを使いながら、できるだけ落ち着いた状態で進めます。
無理に押さえつけて処置を行うのではなく「お口のケア=嫌なこと」と覚えてしまわないよう、その子のペースを大切にしています。
必要に応じて、おうちでの歯みがき指導も行い、病院でのケアとご家庭でのケアを組み合わせてお口の健康を守っていきます。
③ 定期的に確認しながら、お口の環境を整えます
プラズマ口腔ケアは、1回ですべての問題が解決する処置ではありません。
お口の状態に合わせて、複数回の通院で歯ぐきの状態や口臭の変化を確認しながら進めていきます。
目安としては、週に1〜2回、合計4回の照射を1クールとして行うことがあります。ただし、必要な回数や間隔は、お口の状態によって異なります。
また、すでに麻酔下でのスケーリングを行った犬では、きれいになったお口の状態をできるだけ維持するために、術後の定期ケアとしてプラズマ口腔ケアを併用することもあります。
まとめ
歯科治療というと、「麻酔をするか、しないか」という点に意識が向きやすいかもしれません。
しかし、本当に大切なのは、今のお口の状態を確認し、その子にとって必要なケアを見極めることです。
歯周病が進んでいる場合は、麻酔下での治療が必要になることがあります。一方で、歯肉炎や口臭が気になる段階であれば、プラズマ口腔ケアやご自宅でのデンタルケアを組み合わせて管理できる可能性もあります。
「麻酔が怖いから相談できない」と思わず、まずは今できる方法を一緒に考えていきましょう。
ご注意(免責事項)
・本記事の口腔ケア(プラズマ治療器処置)は、すべての犬に適応できるわけではありません。
・お口の周りを触らせてくれない子や、怖がってパニックになってしまう場合は、安全を最優先にするため処置を見合わせることがあります。
・すでに歯の根元の骨が溶けている、歯が激しくグラついているなど、歯周病が著しく進行している場合は、全身麻酔下での外科的治療(抜歯や通常のスケーリング)を強く推奨することがあります。
・まずは一度お口の状態を診察させていただき、安全性と健康を第一に考えた最適なケアをご提案いたします。あらかじめご了承いただけますようお願い申し上げます。
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