犬のアロペシアX 痒くないのに…

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犬のアロペシアX 痒くないのに毛が抜けていく!

犬のアロペシアX 痒くないのに毛が抜けていく!

(写真左)マイクロニードル使用前、(写真右)マイクロニードル使用後

 

 

 

 

 

 

 

広尾・恵比寿・西麻布・南麻布を中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」です。

犬のアロペシアX(脱毛症X)という病気をご存知でしょうか。
アロペシアXは、 毛の生え変わるサイクルが止まってしまい、痒みがないのに毛が抜けていく皮膚病のひとつです。
特にポメラニアンやトイプードル、シベリアンハスキー、チワワやパピヨンなど特定の犬種で発症することが知られています。またアロペシアXは、美容上の問題のみで健康上に問題が出ることがありません。

今回は犬のアロペシアXについて、原因や症状、診断、治療などについてご紹介します。

 

■目次
1.原因について
2.症状について
3.診断について
4.治療について
5.ご家庭でのチェックポイント!
6.まとめ

 

原因について

アロペシアXは、毛が生え変わるサイクルが止まってしまうことで脱毛していきます(毛周期停止)。この毛周期停止が起こる原因は、まだ明らかになっていませんが、最近の研究ではある特定の遺伝子やホルモンが関わっていることが示唆されています。

 

症状について

アロペシアXは、2~4歳の若齢で発症することが多く見られます。

脱毛は、首回りや太ももの裏側から徐々にはじまり、最終的には頭部と四肢以外の体全体の毛が左右対称に脱毛していきます。脱毛の進行は、個体差があり、1年かけて徐々に脱毛していくこともあります。そして、毛が薄いあるいはないので、皮膚が黒くなる、また、乾燥肌(ドライスキン)や皮膚のバリア機能低下による膿皮症を併発することもあります。

 

診断について

アロペシアXを直接診断する方法はなく、はじめに、病歴や症状、年齢や犬種などの情報や皮膚検査などを考慮します。
また、似たような脱毛が起きる病気には、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)、性ホルモン失調などが考えられるため、血液検査や画像検査、また、皮膚病理検査などを行い総合的に判断していきます。

 

治療について

アロペシアXは原因が分かっていないため、こうすれば治るという治療法ははっきり分かっていませんが、以前より治療の選択肢の幅が広がってきています。   
  
中からのケアとして、サプリメントやホルモン療法が挙げられます。
また外からのケアは、入浴やブラッシング、マッサージなどで皮膚を刺激しながら、皮膚バリア機能低下を防ぐために保湿することなどで、発毛を促します。

その他の治療法として、細い針(マイクロニードル)で皮膚に刺激を与える事で細胞を活性化させ、発毛を促します。これは、痛みを伴いますので局所/全身麻酔が必要となります。治療は一般的に長期に渡り、ひとつの治療を2~3カ月程度試して反応がみられなければ次の治療に切り替えていきます。

また、アロペシアXは、ホルモンの異常によって発症する可能性もあるため、去勢・避妊手術を行うこともあります。

 

ご家庭でのチェックポイント!

愛犬の皮膚のケアをこまめに行いましょう。

○最近毛艶がなくなり、毛がぼそぼそしてきた
○皮膚が乾燥し、フケが多くなった
○首や太もも、尾、背中の毛が薄くなってきた
○皮膚が黒っぽくなってきた
○膿皮症を繰り返すようになった
などの変化がないかチェックし、早期治療につなげることが大切です。

また、去勢・避妊手術はアロペシアXだけでなく生殖器系の疾患を予防することにもつながるため検討すると良いでしょう。

広尾・恵比寿・西麻布・南麻布を中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」では皮膚科専門外来にて各種皮膚病の診療を、また去勢・避妊治療にも幅広く対応していますので、お気軽にご相談ください。

 

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まとめ

今回の記事では犬の皮膚病のひとつであるアロペシアXについてお伝えしました。
この病気になると「うちの子にはもう一生毛が生えてこないのではないか」と不安になる飼い主様も多くいます。
しかし、毛が再び生えてくるまでには時間がかかるものの、様々な治療を試していくことで、多くの場合、回復がみられます。そのため、焦らず長期的に獣医と相談しながら、治療に取り組むことが大切です。

広尾・恵比寿・西麻布・南麻布中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」では定期健診に力を入れており、病気の予防と長期健康維持のお手伝いをさせていただきます。

 

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