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犬や猫のかゆみが止まらない原因とは? 適切な対応と受診のタイミングを獣医師が解説

犬や猫のかゆみが止まらない原因とは? 適切な対応と受診のタイミングを獣医師が解説

広尾・恵比寿・西麻布・南麻布を中心に診療を行う「広尾テラス動物病院」です。

皮膚のトラブルでお悩みの飼い主様はとても多く、「愛犬・愛猫の止まらないかゆみをなんとかしてあげたい」とご相談を受けることも少なくありません。こうしたかゆみは犬や猫にとって大きなストレスとなり、QOL(生活の質)を低下させる一因になります。そのため、「そのうち治るだろう」と放置せず、早めに適切な対応をとることが大切です。

今回は、犬や猫の止まらないかゆみに注目し、動物病院に相談すべきかどうかの判断の目安や、おうちでチェックしてほしいポイント、そして主な原因と治療の流れについてわかりやすくご紹介します。

■目次
1.かゆみのサインを見逃さないために
2.他の症状もチェック|併発しやすいサインとは
3.具体的な受診の判断基準
4.かゆみの原因
5.動物病院での検査・治療について
6.まとめ

 

かゆみのサインを見逃さないために


一口に「かゆがっている」といっても、その程度や状況によって緊急度は変わってきます。まずは、普段の様子との違いに気づけるよう、日頃からよく観察しておくことが大切です。
次の表を目安に、ご自宅でチェックしてみてください。

観察ポイント 緊急性が低い目安 受診を検討したい目安
頻度 ときどきかく程度で、しばらくすると落ち着く 一日中どこかをかいている/長時間・長期間にわたってかゆがっている
かゆがる部位 かく場所がその時々でバラバラで、特定の部位に執着しない(服・首輪・ハーネスが気になるだけのことも) 耳・足先・脇の下・背中など、特定の場所だけを集中的にかく・舐める
時間帯 主に散歩中など、活動しているときに一時的にかゆがる 就寝中やくつろいでいるとき、食事中などにもかゆみが止まらない
かゆみの強さ 数秒〜数十秒かくといったん落ち着く 毛が抜けるほど強くかく/皮膚に傷や出血が見られるほどしつこく引っかく

 

このようなサインが見られる場合は、スマートフォンで動画を撮っておくと、診察の際に大きな助けになります。診察室では緊張して、普段どおりのかゆがり方を見せてくれない子も多いため、ご自宅での様子を記録しておいていただくことをおすすめしています。

 

他の症状もチェック|併発しやすいサインとは


かゆみだけが単独で起きていることは少なく、多くの場合は皮膚にさまざまな変化が一緒に見られます

皮膚が赤くなっている
毛が抜ける・短くなっている
ポツポツ・ブツブツとしたできものがある
フケが増えている
触るとベタベタする
以前より体や耳のニオイが強くなった

最初は一部分のかゆみや赤みだけでも、症状が長く続くと皮膚が厚ぼったくなったり、かき壊しによる傷が増えたり、だんだん黒ずんで見えるようになったりすることもあります。

また、皮膚の変化以外に次のような症状がみられる場合は、より注意が必要です。

・全身症状
食欲が落ちている、元気がない、いつもより眠ってばかりいる…といった全身状態の悪化がある場合は、皮膚だけでなく体の内側にも問題を抱えている可能性があります。できるだけ早く受診しましょう。

内分泌疾患についてはこちらから

・耳の症状
耳の皮膚も体の皮膚とつながっているため、皮膚炎が外耳炎へと広がることも珍しくありません。頭をよく振る、耳をしきりにかく、耳垢が増えた、耳のニオイが強くなってきた、といった様子があれば、外耳炎を起こしている可能性があります。

犬の外耳炎についてはこちらから

 

具体的な受診の判断基準


「病院に行くべきか、もう少し様子を見ていいのか」迷われる方も多いと思います。ひとつの目安として、次のような状態が見られる場合は、なるべく早めの受診をおすすめします。

夜も眠れないほど、ずっとかいている
皮膚に傷や出血が見られる
食事中やお散歩中など、好きなことをしている最中でもかゆみが止まらず、日常生活に支障が出ている
市販薬やシャンプーなど自宅でのケアを数日(目安として2〜3日)続けても、まったく良くならない、むしろ悪化している

「そのうち落ち着くだろう」と様子見を続けてしまうと、結果として治療が長引いたり、治療費がかさんでしまったりすることも少なくありません。

愛犬や愛猫の負担を減らす意味でも、飼い主様の時間的・経済的な負担を軽くする意味でも、早めに診てもらうことがいちばんの近道になることが多いです。

 

かゆみの原因


皮膚のかゆみには、さまざまな原因が関わっています。ひとつの原因だけで起きているように見えても、実際には複数の要素が重なっていることも多く、自己判断で原因を決めつけてしまうのは危険です。代表的な原因として、次のようなものが挙げられます。

アレルギー
フードに含まれるたんぱく質や添加物、環境中の花粉、ハウスダスト、カビなどが原因になることがあります。

寄生虫
ノミ、マダニ、疥癬(ヒゼンダニ)などの寄生虫は、強いかゆみを引き起こします。感染力が高いものもあるため、早期の発見と駆除が重要です。

細菌・真菌(カビ)感染
ブドウ球菌、マラセチア、皮膚糸状菌などが皮膚に増えることで、ベタつきや赤み、フケ、独特のニオイを伴う皮膚炎を起こします。

ストレス・生活環境
引っ越しや家族構成の変化、運動不足、退屈などのストレスがきっかけで、同じ場所をなめ続ける・かじり続けるといった行動が癖になってしまうこともあります。

同じようにかゆがっているように見えても、原因や必要な治療は一頭一頭によって異なります。見た目だけで判断することは難しいため、きちんと検査を行い、原因に合わせて治療を選ぶことが大切です。

 

動物病院での検査・治療について


かゆみの原因を見極めるためには、いくつかの検査を組み合わせて総合的に判断していきます。

・問診
診察の中でも特に大切なのが、飼い主様からお話を伺う問診です。「いつ頃から」「どの部分を」「どのような時にかゆがるのか」「季節やフードを変えたタイミングとの関係はないか」など、普段の生活の様子を詳しくお伺いします。

・皮膚検査
皮膚の一部をこすって調べる皮膚掻爬検査、抜け毛を調べる抜毛検査、必要に応じて皮膚の一部を採取して行う病理検査などを行い、寄生虫・細菌・真菌などの有無や皮膚の状態を確認します。

・血液検査
全身の健康状態をチェックするほか、アレルギーが疑われる場合には、その原因を推測・特定するためのアレルギー検査を併せて行うこともあります。

原因がある程度わかってきたら、その子に合った治療計画を立てていきます。かゆみを抑える治療には、たとえば次のようなものがあります。

内服薬や外用薬などの薬物療法
薬用シャンプーや保湿剤を使ったスキンケア
アレルギーに配慮したフードへの切り替え
寝床や生活環境の見直し(ハウスダスト対策、温度・湿度管理など)

これらを1つだけ行うのではなく、組み合わせていくことがポイントです。

また、原因がわかったからといって、すぐに「完治」するとは限りません。皮膚のトラブルは良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、少しずつ落ち着いていくことも多い病気です。

自己判断で薬を急に止めてしまうと、すぐにぶり返してしまうこともあるので、症状が落ち着いてきた段階でも、獣医師と相談しながらペースを調整していくことがとても大切です。

 

まとめ


愛犬・愛猫のかゆみは「我慢させるもの」ではなく、きちんと向き合うことで改善を目指せる症状です。軽いかゆみのうちに対応できれば、皮膚の状態が悪くなる前にコントロールしやすくなります。

愛犬・愛猫が毎日気持ちよく過ごせることは、飼い主様ご自身の安心にもつながります。「最近かゆみが続いている気がする」「ひどくなる前に相談しておきたい」と感じたら、早めに動物病院にご相談ください。

なお、皮膚トラブルは原因が多岐にわたり、細やかなケアと長期的なフォローが必要になることも多い分野です。当院では皮膚科特別診療を設けており、皮膚のお悩みがあるご家族に対して、専門的な検査・治療・スキンケアのご提案を行っています。

開催日は日曜日のみとなりますが、飼い主様とその子のライフスタイルに合わせて、無理のない治療方針を一緒に考えながら、「上手に皮膚病と付き合っていく方法」をご提案しています。詳細は当院ホームページをご確認ください。

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